青ポスの部屋

旅と技術とポエムのブログ

2017年を終えて乗りたいバイク

今年は僕にとって「バイク元年」でした。普通二輪免許を取得してYBRを買い、大型二輪免許取得まで一気に駆け上がりました。
なので、今年の振り返りもかねて(?)、今ほしいと思っているバイクについて書こうと思います。

CBR400R (HONDA)

www.honda.co.jp

今一番買いたいバイクです。といってもお金があるわけでもありませんが。

レーサーバイクはもともとバイクに乗り出した直後からの憧れでした。大型免許はあるので別にリッターでも乗ることはできるんですが、やっぱり125ccの次なのでそこそこの排気量のに乗って自信をつけたいなと思ってます。それに排気量がでかくなると燃費も悪くなったりハイオク指定だったりそもそも車体価格が高いので経済的、社会的にも今の自分ではまだ見合わないと思っています。

かといって250ccはしょぼすぎる、と思っていたところに飛び込んできたのが400ccクラスでした。一般には不人気で車種が減りつつあると言われていますがまだまだいいバイクは残っています。そこで目に留まったのがCBR400Rでした。

実は今年は厄年で、いろんな人間関係でもめたり、就活に苦労したり、心が折れそうになることが何度もあった年でした。その度に「自分はバイクに乗るためにやってるんだ」と思って、乗り切ることができました。それで何度も夢に出てきたりするくらいほしいバイクです。就職したら最初のボーナスでCBR400Rを買おうと思っています。

Bonneville T100 (Triumph)

www.triumphmotorcycles.jp

ボンネビルを知ったのは大型二輪を取った頃です。大型二輪となると外車も乗れるようになるので、いろんな海外メーカーのサイトを見ていました。

ボンネビルという名前は、相対性理論の「シンデレラ」という曲に出てくるので知っていました。2ストのボンネビル*1でシンデレラを後ろに乗せてハングオンするというなかなかスリリングな歌です。そこでサイトを見て、「ビッグネイキッドもいいなあ」と思いました。

それでビッグネイキッドを見て回ったのですが、どれもボンネビルにはかなわないなあと思いました。今年はXSRなどネオレトロと呼ばれるネイキッドモデルもたくさん出た年でしたが、どれを見比べてもボンネビルのほうがかっこいいと思いました。見比べて「何がちがうのか」と禅問答したりもしましたが、いいもしれない魅力を感じます。

外車で大型二輪とあって簡単に買える代物ではないのですが、就職したら手も届くものでもあります。とはいえ今の自分はまだこのバイクに似合うとは思えないので、十分大人になったときに乗りたいと思っています。

XTZ125 (YAMAHA)

www.goobike.com

これはなんというか、「オフロードに乗りたいなあ」ということです。

YBR125で細い山道にもたくさん行きましたし、猪ノ子峠みたいなダートを通ったりもしました。未舗装の砂利道を走って、「こういう道をオフ車で走ると楽しいんだろうなあ」と感じました。

オフ車で長距離巡航なんかとてもじゃないけどできないので、買うとしたら125ccだなあと思いました。なので今あるYBRに壊れるまで乗った後、2台目のサブバイクとして持ちたいなあと思いました。

*1:もちろん現行モデルは4ストです。

九九を覚えるだけで全ての小数のかけ算ができる理由

はじめに

九九は小学校2年生で学ぶ算数最初の難関である。誰もが何度も暗唱したり、紙に書いたり、はたまた歌に合わせたり、苦労して九九を覚える。10以上の数や小数のかけ算になると、九九ほど何かを覚えるわけでもなく、筆算やらそろばんで任意の小数のかけ算ができるようになる。人力では手に負えない計算も電卓がやってくれるし、膨大な回数のかけ算と足し算をコンピュータがやって現代社会は回っている。

ところで、ふと疑問に思ったことはないだろうか。

たった9\times9=81個の計算を覚えるだけで、どうして無限にある小数のかけ算が可能になるのだろうか。

思えば、義務教育では「筆算のやり方」は教わるけれども、その根拠はあまりはっきり教えてもらえない。0.001から1億くらいまでのかけ算は教わるけども、その範囲を外れてかけ算ができるのかはわからない。でも九九とその他諸々を覚えれば計算はできるし社会はそうして回っている。なぜなのだろうか。

注:この記事では「有限小数で表すことのできる数」を小数と呼び、その範囲で話をします。つまり分数や無理数の話はしません。

そもそも「小数」って何よ

かけ算の話をするには、まず「数字って何」という話をしなければならない。

数とは我々が勝手に考えた概念だが、「何を満たせば数だ」と決めることができるだろうか。数の具体例を挙げて考えてみよう。 1、77、269、3.14、8.10、11.4514、... といくつか考えてみたが、どうやら以下のことが言えれば小数と言えそうである。 「0、1、2、3、4、5、6、7、8、9の9つの記号を並べたものである。」 この「並べる」というところをもう少し見てみよう。77は  7\times 10+7\times 10^{0}だ。3.14は高校で学ぶ負の指数 0.1=10^{-1}を用いれば 3\times 10^{0}+1\times 10^{-1}+4\times 10^{-2}だ。この「10」というものの中身には立ち入らないことにして、次のように決めればすべての小数を表現できそうだ。

定義1
小数とは、次のように表現できる数のことを言う。
{ \displaystyle
x=a_0 \times 10^0 + a_1 \times 10^1 + a_{-1} \times 10^{-1} +\cdots \\\\
=\sum a_i \times 10^{i}}

ただしa_iは0から9までのいずれかの数字である。二行目は高校数学で出てくる総和の記号だが、簡単に言うと「何かの数字を10の何乗かして足して、を繰り返したもの」ということだ。

このような xの集まりを大学以上の数学の言葉で言うと、集合\{0,1,2,3,4,5,6,7,8,9\}上で集合 \{10^{i} \} を基底とするベクトル空間といい*1、ベクトル空間に属するものをベクトルと呼ぶ。高校数学ではベクトルと言えば矢印だが、それは厳密には幾何ベクトルというものでベクトルの一種である。

ここでは「 \times」という記号を使っているが、今は「数字と10^{i}を結びつける記号」という意味しかない。

10進法では九九だけ覚えればよい

ここで、数321=3\times 10^{2} +2\times 10+ 14857=4\times 10^{3} +8 \times 10^{2} + 5\times 10 + 7のかけ算を考えてみよう。

ベクトルは「ベクトル空間の公理」というものを満たす。公理というと何やら難しそうだが、言ってることは実はざっくり言えば「小学校で学ぶ交換法則、結合法則、分配法則が成り立つ」ということと「0、1に相当するものがある」といったものだ。

ベクトル同士のかけ算は内積というのだが、ここではかけ算のことである。内積についても分配法則は成り立つ。321と4857のかけ算を計算してみよう。

 321 \cdot 4857 = (3\times 10^{2} +2\times 10+ 1\times 10^{0})\cdot (4\times 10^{3} +8 \times 10^{2} + 5\times 10 + 7\times 10^{0}) \\
=(3\times 10^{2})\cdot (4\times 10^{3}) + \cdots +(1\times 10^{0}) \cdot (7\times 10^{0}) \\
=(3\cdot 4) \times ( 10^{2}\cdot 10^{3}) + \cdots + (1\cdot 7) \times (10^{0} \cdot 10^{0})

ここで交換法則と分配法則、結合法則を用いている。

これを x=a_0 \times 10^{0} + a_1 \times 10^{1} + a_{-1} \times 10^{-1} +\cdots の形に書き直せれば、定義1を使って計算を終えることができる。そこでこれと最後の行の式を見比べてみると

  • 3\cdot 4, 1\cdot 7, \cdotsのように数字同士のかけ算を数字にする
  • 10^{3} \cdot 10^{4}, \cdots のように10^{i}同士のかけ算を10^{k}にする

の二つの決まりが決まればよいということがわかる。後者は単に指数法則から 10^{i} \cdot 10^{j} = 10^{i+j} とすればよい。

ここまで来たらわかるだろう。そう、前者こそがまさに「九九」なのである*2。実際には繰り上がりがあるので足し算の九九も決める必要があるが、ここに足し算、かけ算の九九と指数法則があれば任意の小数のかけ算は実行可能であることが示された。

ところで:なんで「九九」なのか

ここまで10進数の話をしてきた。世の中には10以外の進法もある。

たとえば、コンピュータは2進数を使っている。この場合は小数の表し方はこうなる。

{ \displaystyle
x=a_0 \times 2^{0} + a_1 \times 2^{1} + a_{-1} \times 2^{-1} +\cdots \\
=\sum a_i \times 2^{i}}

ここではa_i\{0,1\}の2つしかない。つまり足し算とかけ算のそれぞれで(0\cdot 0),    (0\cdot1), (1\cdot 0), (1\cdot 1)の4通りの結果を覚えればよい。九九を覚えるのが嫌な小学生はコンピュータになればいいのかも知れない。

一般にn進法ではn^{2}通りの結果を覚えればよい。我々の祖先が10進法を採用したことはラッキーなのかも知れないし、アンラッキーなのかも知れない。10というのは人間の演算能力が決めたのだろうか。

追記:冷静に考えたら「人間の手の指が合わせて10本だから」だった。つまり人類の手の指の本数によっては8進数や12進数になっていた可能性もある。

補足:スカラー倍と内積について

厳密には、ベクトルでかけ算に相当するものは「スカラー倍」と「内積」がある。

ベクトル空間では足し算とスカラー倍について交換法則や分配法則が成り立つと定義していて内積が存在するかは触れていない。一方、内積とは、ベクトル同士の二項演算で交換法則、双線形性などを満たすものとして定義される。

つまりスカラー倍と内積は別の概念で、この記事ではスカラー倍に該当するものを\times内積に該当するものを\cdotと一応使い分けている。この記事でスカラーの集合に対応するものは\{0,1,2,3,4,5,6,7,8,9\}で、基底が \{10^{i} \}である。

*1:線形空間」などともいいます。

*2:正確には九九に0の段を足したもの。

原付二種(MTバイク)にしないほうがいい人

何度となく言っていることですが、「原付二種」と呼ばれる125ccのバイクは維持費の安さや扱いやすさから人気です。先日スズキから国内向け新車種のGSX-125Sの発売が発表されるなど盛り上がっています。僕もそんな125ccの魅力に取りつかれた一人です。

ですがどんなものにもあるように、125ccバイクに向かない人もいます。あまり取り上げられることもないのですが、すこし考えてみたいと思います。

※この記事はMTオートバイがほしい人向けの記事です。

1.親の反対に譲歩して小型にしようと思っている人

自分の子供がバイクに乗ると言い出すと「危ないから」と反対する親御さんは多いです。その気持ちもとてもよくわかります。とはいえ「バイクに乗りたい」という気持ちは抑えられないものですから、しぶしぶOKをもらって買うとか、中には反対を押し切って買う人もいるでしょう。その場合に譲歩して小さい125ccにということもあると思います。

125ccのメリットのひとつに「任意保険が自動車保険のファミリーバイク特約で安く済ませられる」ということがあります。任意保険は単独で加入すると年数万かかるので、特にお金のない学生ならこれがあるので125ccだけみたいな人もいるでしょう。

ですが、学生さんの場合なら親の自動車保険につけることになるかと思いますが、つまりバイクをよく思っていない親御さんに、バイクに乗るための手続きをやってもらわないといけないということです。僕自身、免許は親にしぶしぶ了承を得ましたが、親が保険の手続きしてくれなかったので自分で単独で任意保険に入ることになりました。

つまり親御さんに協力してもらえなければ保険料は結局250cc以上と大して変わらない額を支払うことになります。保険料だけで排気量を我慢するなら最初からほしいバイクを買うべきです。

2.振動が嫌な人

エンジンの振動はバイクの醍醐味でもありますが、あまりにひどいと乗り心地が悪いということにもなります。

僕がよく読んでいるブログに、このような記事があります。
tinspotter.net

僕の乗っているYBR125は、バランサーがついており125ccの中では振動の少ないバイクですが、それでも60km/hを超えると振動が出てきます。乗って間もないころはバイパスを長時間走ったあとは振動で手がしびれることが多々ありました。

125ccなら振動は覚悟しなければなりません。ちなみに、僕は今となってはバイパスを長距離走った後に街中に入るとむしろ振動がなさすぎて「あれ?物足りないなあ」と感じます。物は考えようですが、最初に手がしびれる段階で「もう乗りたくない!」と乗らなくなるようであればやめた方がいいです。

排気量を増やすとあまり回さなくても加速できるので多少は振動はマシになります。*1

3.よく使うルートに高速道路・自動車専用道路がある人

別記事にもしましたが、125ccは高速道路、自動車専用道路を通行できません。

bluepost69.hatenablog.com

「これまで自動車を使っていたけどバイクで通勤通学したい」という場合は特に気を付けなければなりません。高速道路はわかりやすいですが、一般道でも一部自動車専用道路で125ccが走れない場合があるので、よく使うルートがある場合は事前に調べておきましょう。

また、よく使うルートがないとしても、国道沿いを延々走っていたら突然自動車専用道路になって迂回を余儀なくされたというようなこともよくあるので、それが嫌な人はもっと大きいバイクにする必要があります。またツーリングで「疲れたから帰りだけ高速道路で帰ろう」といった手段が使えません。

ちなみに、逆に有料だけど125ccでも走れる道路もあります。たいてい原付二種は10円くらいで走れます。これも要調査です。

まとめ:125ccはよく調べて買いましょう

原付二種は上記のように制約も多いバイクですが、賢く使えばとてもリーズナブルでよいバイクとも言えます。リッター50km走れる乗り物なんてそうありませんし、保険に限らず税金や車体価格、自賠責保険料も安く、チェーンなどの消耗品も大排気量に比べると安いです。

無論、125ccでもほしいバイクがあるならそのバイクにすればいいと思います。ただ「安いから」「小さくて安心だから」という安直な理由で選ぶと後悔することもあるので、よく調べて買いましょう。

*1:とはいえ250ccで高速に乗るとかギリギリまで回すような乗り方をすると振動は仕方がありません。振動のないバイクを求めるなら400ccとか大型二輪ということになるかと思います。