道東めぐりをあきらめてしまったので、非常に長い時間ができてしまった。朝1本目(とはいっても札幌稚内の特急は1日3往復しかない)のスーパー宗谷に乗り込んだ。所要時間は5時間で、釧路までより長い。
車窓も旭川を過ぎると、だだっ広い原野が広がる。雪景色なので真っ白。停車駅に近づくとところどころ建物が出てきてまた消える、の繰り返しだった。
昼ごろに稚内に到着した。稚内はいわずもがな日本最北端の駅である。南稚内駅がかつてのターミナルでそこから港へ延伸された、という歴史的な経緯から*1、線路1本とホーム1本だけという簡単な構造になっている。
駅ビルは最近になって建てられたもので、とても新しいものだった。付近にはバスターミナル、道の駅、フェリーターミナルという交通の要衝が集中している。
外はものすごい風と地吹雪で、顔に氷の粒があたって痛かった。まさに「北国の嵐」といった感じだった。
バスで稚内からノシャップ岬まで行った。稚内には西側のノシャップ岬と東側の宗谷岬があり、稚内駅は西側にある。
岬の近くにはお土産屋があり、猛吹雪の中で艦これのテーマ曲「吹雪」が流れていておもしろかった。
岬のそばに、ノシャップ寒流水族館という日本最北の水族館があるので入ってみた。
外のプールでアザラシが何食わぬ態度で泳いでいた。寒さは彼らにはまったく関係ないようだ。
併設されている青少年科学館には南極探検隊の資料が展示されていて興味深かった。それ以外にも展示があったが、人気のなさと絶妙な手作り感がそこはかとない「パラダイス」感をかもし出していた。
その後開店休業状態のお土産やでトド肉の缶詰と貝柱を買った。
稚内駅に戻り、駅ビルで1時間くらい休憩した。その日のホテルに風呂がついていないのだが、稚内副港市場に銭湯があったので副港市場に行ってみることにした。銭湯はまあよくあるスーパー銭湯という感じだった。
副港市場の中には稚内と樺太の歴史を展示したスペースがあった。かつて日本が樺太を統治していたとき、稚内は樺太へ向かう玄関口として栄えた。稚内駅も稚内から樺太へ向かう稚泊連絡船へ接続するために延伸されたという経緯を持つ。
その後ソ連、ロシア領となった後もフェリーが発着しているとのことである。そのため稚内ではいたるところでロシア語の標識を目にする。もともとロシアには興味があるので、ロシア語を勉強してサハリンへ行ってみたいと思った。
その後ホテルに泊まった。朝イチで宗谷岬に行こうと思っていたが止められたので一本遅いバスにすることにした。
この日の下車印:稚内