青ポスの部屋

旅と技術とポエムのブログ

201506中国山地旅行その1「ローカル線」

関西から西へ向かう経路といえば、山陽本線山陰本線の2大路線があるが、実はもうひとつ経路がある。姫路から姫新線芸備線中国山地三大都市である津山、新見、三次を経由して広島へいたる「裏山陽線」ルートである。

かつて、国鉄時代は姫新線芸備線は一体となったダイヤが組まれていた。しかし時代の移り変わりとともに広域輸送の役割が山陽本線と新幹線、陰陽連絡も伯備線智頭急行へと移った。その結果姫新線芸備線は地域輸送に徹することとなり、運用も細かく分断されることになってしまった。現在はそのルートを完乗するには神戸以西に前日入りする必要がある有様である。

今年の青春18きっぷシーズンは院試があるせいで忙しいので、5月中に普通乗車券で1回どこかに行こうと思っていた。だが予定した日に別の予定が入り、しかもそれで予定をずらすと結局かぶった予定が延びてその予定日にかぶるというような有様で、結局梅雨がくるギリギリにいくことになってしまった。

前日に姫路のネットカフェに泊まろうと思っていたが、改装中であることが発覚したので、急遽明石のネットカフェに泊まることにした。繁華街は明石駅を中心としているが鉄道の拠点は隣の西明石駅であるので、西明石以西へ行くには一駅だけ乗って乗り換える必要がある。

姫新線は姫路から佐用、上月までは、姫路鉄道部の管轄で、播但線とは違って高速化が進んでいる。車両もキハ127系と見た目が新快速とそっくりな気動車が使われている。このキハ127系は、名前こそ変えられているが、現在気動車化されたえちごトキめき鉄道区間でも使われている。

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朝の姫新線は、どこのローカル線も似たようなものだが、際立って学生輸送列車になっていた。平日の朝に姫路から佐用や津山に向かう人間など限られているので、本当に中高生以外乗っておらず、特に播磨新宮以降は中高生特有の傍若無人さが目立って仕方なかった。

乗換駅の佐用姫新線のほか智頭急行との乗換駅である。今回は帰りは智頭急行を使うので佐用は通過連絡でもう一度経由する。JRでは1度しか経由しないが、通過連絡でもう一度経由する場合は1枚の片道切符では発券することができない。詳しくは乗車券の紹介記事にまわす。

佐用を過ぎると学生はすべており、津山行きは僕を含め乗客は2人しか乗っていなかった。佐用からは広島までずっとJR西日本のローカル線汎用車両であるキハ120だった。津山が近づくと少し客が乗ってきた。

津山は中国山地一つ目の拠点駅で、鳥取へ向かう因美線、岡山と津山を結ぶ津山線が乗り入れる。中国自動車道経由の高速バスも多く発着し、鉄道とバスの要衝である。乗り換えの都合で30分程度しかいられなかった。

津山からさらに姫新線で新見へ。佐用から津山までより乗客が乗っていた。姫路から新見までが姫新線である。新見は伯備線姫新線芸備線の乗換駅である。(厳密には芸備線備中神代からだが伯備線経由で新見まで乗り入れる。)新見は津山より田舎だった。1時間くらい駅周辺を歩いたが、まさに地方都市という感じだった。

駅ナカの自動販売機でジュースを買ったところ、お釣りが910円も忘れられていた。さすがにそんなにネコババするとバチが当たりそうなので、駅の窓口に渡しておいた。

新見の次は、備後落合で乗り換えた。備後落合は木次線芸備線の乗換駅であるものの、ものすごく山奥にあり、猪谷や南小谷とならぶ秘境駅である。到着するころには小雨が降り出していた。

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駅舎には有志による訪問証明書が備え付けられており、「画像ツイートしてくれるととてもうれしい」とのことだった。SNSの波はこんなところまでおよんでいた。

備後落合からは延々山中だった。JR西日本のローカル線でよくある整備のための速度制限が厳しく、止まっては加速の繰り返しだった。備後庄原からは平地に出て、ある程度人も増えた。

中国山地最後の拠点である三次は、広島の都市圏であり、住宅地化が進んでいた。三次からは日本一のローカル線として有名な三江線が分岐する。広島行きは2両だったが、途中で大量の乗客が乗ってきて、矢賀ではすでに身動きがとれない混雑だった。