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青ポスの部屋

主に旅行記、切符収集を書くブログ。毎週金曜日夜に更新する予定。

201512三江線旅行その1「公共交通の支え方」

01_旅行記

12月10日から2015年冬季の青春18きっぷが通用開始した。今季は、秋に廃止報道が出た三江線に乗ってくることにした。

三江線国鉄末期に建設されたローカル線で、広島県の三次駅から島根県江津駅を結ぶ路線だ。しかし大正5年の着工から昭和50年の全通までに相当長い期間を要し、そのせいで完成したときにはすでに自動車が普及しており、できてからずっとローカル線として日の目を見ることなく運行されてきた路線だ。しかしついに今年の10月にJR西日本内で廃止が検討されていることが報道された。

いまや「日本一のローカルな路線」とも揶揄されるような事情から、列車の本数がきわめて少ない。1日に4,5本でしかなく、営業列車全体の本数ではおそらく日本一少ない。(普通列車だけに限れば日豊本線佐伯延岡間や石北本線上川白滝間などもっと少ない区間はあるが、それぞれにちりんやオホーツクなど特急が通っている。)そのため旅程を組むのに苦労した。

いつもどおり朝イチで京都を出て、山陰本線を乗り継いでいった。途中園部と日吉で途中下車した。特に日吉は割りと時間がとれたので歩いてみた。

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山と川に挟まれた場所にある街で、商店街という看板があった。しかしあったのは郵便局とまだ開店していない宝石店、やっているのかわからない商店がいくつかあるだけで、「商店街とは何か」という砂山のパラドクスに陥った。

その後福知山、豊岡、浜坂、鳥取、米子で乗り継いだ。福知山で下車印をもらったあと、数分での乗継が続いたのでほとんど乗り通しみたいになった。

ところで、三江線は本数が少ないので、普通列車だけで京都から乗り継いでいくと江津発を3時間待たされた上に戻ることも進むこともできなくなる。翌日の始発で行くとしても途中で降りると次の列車まで7時間になり、さすがにそんなに時間をつぶすのは難しい。

1本だけ、三次発だが石見川本で2時間弱で乗り継げる列車がある。しかし、うわさによると廃止報道があって以降立ち客が出るほどの混雑になっているとのことだった。

そこで、出雲市から江津までは特急スーパーおきを使った。この区間をワープすれば16:38の江津発浜原行きに乗って石見川本で少し時間をつぶして21時過ぎには江津へ戻り、出雲市、浜田の各方面へ乗り継ぐことができる。そこで石見川本を少し歩いて晩飯でも食って浜田に戻り、翌日の始発で一気に三次まで抜けることにした。

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石見川本駅には17:47に到着したが、窓口は17:35までですでにしまっていた。入場券を買ったり下車印をもらったりしたかったが記念になるものは残せなかった。しかしそれを見越して乗車券は石見川本までにしておいて、それを記念にもらうことができた。

また、パンフレットがおいてあったのでもらった。パンフレットには温泉などいくつか行ってみたいところはあったが、行くことはできなかった。理由は「駅から車で15分」と車がないといけないような距離に分散していたからだ。

駅においてあるからには列車で来る乗客がメインターゲットなのだろうが、列車で来る乗客は自家用車がそこから使えるわけないし、みんなわざわざタクシーを使ってまでそこまで行くとは限らない。三江線を盛り上げたいという気分は伝わってくるが、おそらくまた来ようと思っても、交通手段として選択するのは三江線ではなく自家用車だろう。

駅にはイルミネーションが施されていてきれいだった。

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時期が時期なので日が暮れて真っ暗だったが歩いてみた。すこし山手のほうにいってみると、かわもとおとぎ館という、ホテルと公共施設が一体になったような、巨大な建物があった。

外見は巨大でかつ近代的すぎてあたりの雰囲気とまったく合っておらず、その上明かりもほとんどついておらず、あたりの暗さもあいまって不気味な雰囲気だった。怖いもの見たさに入ってみたが、建物本体の入り口はかなり奥まったところにあり、外見からは営業しているようには一切見えなかった。

行った時間でも営業していたのは、宿泊施設、レストラン、カラオケだった。レストランもきれいでおいしそうだったが、そこそこ高かったので駅のほうへ引き返した。入っている娯楽施設がカラオケというのが田舎っぽかったが、建物の異様なまでの立派さとあいまって不気味でしかなかった。人もおらず、ただただ気味が悪かった。

その後広島風お好み焼きを食べた。僕は関西人なのでなじみがないのだが、予想以上の焼き蕎麦のボリュームに圧倒された。

駅で列車を待ちながら掲示を見ていたところ、回数券の購入や団体での三江線利用に結構補助金が出ているらしい。しかし補助金が出るからと言って1日5本では使いようがない。

それでも、三江線には簡単には増発できない理由がある。単線では優等列車の追越がなくても対向列車がすれちがうための線路が必要になる。しかし三江線は減便の際に多くの交換可能設備が撤去されてしまい、いまや石見川本、浜原、石見都賀、口羽、式敷にしか残っていない。特に江津から石見川本までは交換可能設備がない、つまり上下あわせて1本しか列車が入れず、これが増発をきわめて難しくしている。

三江線を残したければ、交換設備の撤去は阻止すべきだった。幸いなことに撤去後の線路跡は残っているので、やるべきことは回数券に補助金を出すでも巨大なハコモノを作るでもなく、交換設備をひとつでも復活させて増発するようJR西と掛け合うことではないだろうか。

とはいえそもそも三江線を残したいというのは地元でも一部という話もあるし、地元が三江線をバス転換してもいいというならそうすべきだと思う。ただ残したいならやり方がまちがっていると思う。