予讃線はマリンライナーが走る坂出以東以外は基本単線なので、ところどころすれ違いのために5分以上停車しながら進んでいった。トイレがついていないのもそのせいで、「長時間停車の間に行ってください」とのことだった。
途中伊予大洲と向井原の間が、海沿いを走る「愛ある伊予灘線」という愛称の本線と、線形を改良した内子線をはさむ支線の2つの経路を持っている。今回は時間があったので愛ある伊予灘線で伊予市まで行ってから内子線で戻ってもう一度海線で松山まで抜けることにした。
「愛ある伊予灘線」とは某石川県の第3セクター鉄道を思い出させる名前だが、その名前の通りかなり海のせまる場所を通る。乗り鉄的には「この車両設備で何が『愛ある』なんだ」という感じだが、風景は格別だった。
内子線へ乗り継ぐまでの時間、伊予市駅界隈を歩いてみた。伊予市駅は徒歩数分のところに伊予鉄道の郡中港駅があった。伊予鉄道は松山市内を走る路面電車の市内電車と、市外までを走る普通軌道の郊外列車を運行している。
列車が止まっていたが、どこかで見覚えがあるような列車だった。よくみるとうっすら「KEIO」と書いてあった。
松山へ着くと、伊予電鉄の市内電車で道後温泉に向かった。道後温泉には道後温泉本館という、古くは夏目漱石、正岡子規も使った公衆浴場があり、そこでゆっくり温泉につかるのが今回の旅の主目的でもあった。そんな道後温泉は来年から耐震工事のため長期休業するとのことだ。