青ポスの部屋

旅と技術とポエムのブログ

201603北海道旅行 その4 「最果ての地」

4日目、釧路から始発で根室に向かった。

去年も根室へ向かおうとしていたのだが、途中の茶内駅で列車が止まってしまい行くことができなかった。なので根室は今回の旅の最も重要な目的だった。

今回は天気もよく、なんとか茶内駅を越え、一安心した。根室本線はある意味釧網線より自然に近く、写真には残せなかったがキツネも見ることができた。

しかしキツネ以上に目立ったのが、鹿だ。以前タクシーで釧路まで送還されたときも柵を乗り越えてきてしまった鹿とぶつかりかけたのだが、根室の近くになるとそれどころではなかった。

その区間に差し掛かると列車は一旦減速し「鹿笛」と呼ばれる甲高い警笛が鳴った。そしてゆっくり加速していくのだが、線路沿いは鹿よけの柵さえなく、まるでサファリパーク、奈良の若草山の中を進んでいるかのようだった。

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根室へつくと、宗谷岬のときのように、納沙布岬へはバスを使った。こうして、僕は一般人のたどり着ける日本最東端へたどり着いた。

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根室についてから感じていたのだが、同じ最果ての地とはいえ、宗谷岬とは空気が違っていた。あちらこちらに「北方領土を返せ」といったシュプレヒコールのようなメッセージが張り出され、サブリミナル的に憎しみが増幅されているような感覚を受けた。

稚内も、政府の返還に対する立場は異なるが、樺太と断絶された歴史のある土地ではある。しかし稚内は現在もサハリンとの交流が行われており、比較的友好的だ。それに対して納沙布岬には北方領土返還を訴える記念碑が墓に建つ卒塔婆のように林立していた。

そんな納沙布岬だが、宗谷岬よりカモメがたくさんいた。鳥たちには政治的立場も国境線もないのだ。

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根室駅に帰ってから、根室本線の終点も見にいった。根室本線の終点は根室駅からすこし歩いたところにある。看板はあるが、わりと普通の場所にあった。

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その後は根室本線をそのままさかのぼって滝川まで行き、札幌に止まった。午後イチで釧路を出て札幌の到着は23時台で、北海道の大きさを実感した。途中1両に3人しか乗っていなかったり、途中行き違いで停車した駅前に人気がなかったり、JR北海道の苦境もよくわかった。