僕はここのところ1年くらい18きっぷを使っていなかった。バイクの方が融通が利くし、持病が悪化して長時間鈍行で手持無沙汰な旅行をするのがきつくなったからだ。とはいえ冬はバイクでは遠出もできないし、正月に実家にいても付き合いで疲れるので、3日から18きっぷで北陸の枝線を乗りつぶすことにした。
福井まで
初日は越美北線を乗りつぶすべく、定番の北陸本線で北陸へ向かった。
関西から北陸方面の始発は、近江今津や敦賀や米原での乗り継ぎがうまく行かないので、サンダーバードを使わない場合結局7時ごろ発になる。湖西線を使うほうが距離的には近いが、近江今津から近江塩津までが本数が少なく、結局到着時間は米原回りと同じになる。今回は米原回りで行った。
うまく米原、敦賀で乗りついで、福井まで行った。福井ですぐに越美北線へ乗り継げるスジもあるが、この時期の北陸本線は頻繁に遅延するし、接続を取らなかったという話も聞くので、1本早い列車で福井まで行った。とはいえ敦賀~福井は閑散区間なので1時間空き時間ができた。
福井駅の周りは何度も来たし何もなさそうだが、少しだけ歩いたところに福井城跡があるらしいので、歩いて行ってみた。
福井城跡の敷地の大部分は、現在は福井県庁や福井県警本部として使われている。ただ石垣などの一部は残っていて一般に開放されている。
駅から城跡まで近いのは甲府と似ていると思った。 bluepost69.hatenablog.com
歩いているうちに雪が降ってきたので、早々に引き上げた。
越美北線
越美北線は、かつて国鉄時代に福井から越前大野、九頭竜湖、郡上を経由して美濃太田を結ぶ「越美線」として建設された。南北から建設され、北線は九頭竜湖、南線は北濃まで達したところで国鉄民営化の憂き目に遭って建設が中断され、北線はJR西日本が継承した。南線は現在は長良川鉄道が運営している。
未成線あるあるで越美北線で九頭竜湖まで出て徒歩やバスを駆使して越美南線の北濃へ出て完乗する強者も結構いるらしいが、九頭竜湖にたどり着くだけでも本数が少なく難しい。福井から九頭竜湖まで行き来できる列車は1日4本しかない*1。その上九頭竜湖は九頭竜湖駅から何キロかあって、見に行ったりしていると次の列車が3時間後みたいなことになる。そのため、観光は暖かくなってからバイクで来るとして、今回は九頭竜湖駅ですぐ折り返すことにした。
越美北線は福井駅の切り欠きホームになっている2番線から発車する。昼過ぎの列車なので乗客は結構いたが、座れないというような感じはない程度だった。
福井の次の越前花堂までは北陸本線と共用なので快走していたが、そこからは一気にスピードを落としローカル線らしい雰囲気になった。キハ120は単行であり車体も軽量で加減速性能があるので、線路の規格で走りぶりに差が出ておもしろい。
大野市の中心である越前大野で乗客がたくさん降り、越前大野からは本格的な山岳路線になった。風景がきれいなところでは徐行運転するサービスがあった*2。
九頭竜湖駅
九頭竜湖駅は隣が道の駅になっている。改札はやっておらず、道の駅の人が出札だけ行っている。かつては赤い18きっぷの常備券を扱っていた。
出札窓口では到達証明書を配布していた。もらうだけでそのまま折り返すのも申し訳ないので、到達証明書をもらって入場券を買った。すると改札印も押してくれた。
線路は最後は国道158号と平行になって車止めとなっている。
国道158号は九頭竜湖岸に沿って美濃白鳥方面へ到達するルートになっているが、計画されていた越美線は九頭竜湖からは北へ回り、県道127号、314号に近いルートだったという。「暖かくなったらバイクでトレースしにこよう」と思っていたら、なんとオフロードバイクで来ている人が駅前にいた。
帰り
一通り見た後は越美北線を引き返し、福井から金沢まで行って泊まった。
夕食は百番街で寿司を買って、ホテルでたまたまテレビでやっていたアナ雪を見ながら食べた。5貫1000円と普段食べる寿司の4倍くらい値段が張るので買うのが少しためらわれたが、めちゃくちゃおいしかったので「こんなにうまい寿司がこの世にあるのか」と感動した。
翌日は七尾線とのと鉄道も乗りつぶすつもりだったが、疲れて具合が悪くなったのでそのまま引き返すことにした。
元々の予定は全うできなかったが、想定内だったし、寿司を食べるために金沢に行ったと思えば別にいいかと思った。
とはいえ長時間鈍行に乗るのもきつくなってきて、18きっぷだと元が取れないというような状況なので、もっと気軽に新幹線や特急も使えるような他のきっぷも検討したいと思った。