指宿枕崎線の始発で鹿児島中央を出た。指宿枕崎線の始発は4時台と早い。鹿児島中央を出るころには真っ暗だったが、指宿で乗り換えるころには日が昇って十分明るくなっていた。
そして2015年3月26日7時20分、17日の中断をはさみつつも、寄り道(鹿児島本線、宮崎空港線、日南線)を除いて3426kmにもおよぶ、稚内からの長い旅路が終わった。
駅ビルのある日本最北端稚内駅とは異なり、枕崎駅は無人駅だった。ついこの間までは駅舎さえなかったという。しかし周囲は稚内同様市街地だった。時間があったら回ってみたかった。
その後すぐ次の列車で引き返し、鹿児島本線で川内へ。川内から八代は九州新幹線の開通に伴って第3セクター、肥薩おれんじ鉄道に移管された区間だ。青春18きっぷでは別途運賃が必要となるが、昨日から使っている旅名人の九州満喫きっぷでは肥薩おれんじ鉄道も別運賃不要で利用できる。
車窓からは海が見えた。天気も快晴だったので、非常にきれいなオーシャンブルーだった。ここまで日本海、太平洋、オホーツク海、東シナ海と見てきたわけだが、同じ海でもそれぞれ見せる表情が違う。
鳥栖から長崎本線、佐世保線、大村線と回って長崎へ行った。長崎の「金龍」という店でちゃんぽんを食べた。10年ほど前、毎年五島へ帰省していた時は度々ちゃんぽんを食べていたのだが、当時はどういうわけかちゃんぽんはあまり好きでなかった。10年ぶりに食べた本場長崎ちゃんぽんは懐かしい味だった。無論五島は長崎市からは離れているので味も微妙に違うのだろうが。
長崎から長崎本線旧線に乗った。国鉄色車両にあたり、写真を撮っていると、乗車間際に運転士さんが「室内灯がついてないほうがよかった?」と話しかけてきて数言交わした。
後で調べたところ、国鉄色は1両しかないリバイバル塗装だったらしい。それで運転士が写真撮影に親切だったのもよくわかった。