(4)長時間乗車を楽しむ
前回まではきっぷそのものの説明だったが、今回は実際に旅行するときの注意点を書きたいと思う。
青春18きっぷで使えるのは在来線普通列車、つまり多くが普段は通勤通学に使われるもので、長距離移動のために作られたものではない。その車両に長時間乗車することになるため、当然たとえ同じ時間でも新幹線や特急を使う場合に比べて疲れる。
どれくらい疲れるかは人によるし、気分にもよる。横向き座席で3時間乗っても大丈夫なときもあれば、比較的特急車両に近いような列車でも数10分でうんざりするときもある。
多くの場合、その気分を左右するのは車窓や車内など、路線の雰囲気である。特に車窓を何も考えずぼーっと眺めるのが好きな人なら長時間乗車はさほど苦にならないだろう。しかし通勤列車の数十分でも長く感じるような人はきついかもしれない。そのような人は本を持っていこう。ゲームは後述の理由であまりおすすめできない。
おなかが弱い人は長時間乗車ができないかというとかならずしもそうとはいえない。都市部なら気をつけなければならないが地方の列車は大体トイレがついている。不安なら調べておこう。ただ列車はゆれるので用を足しにくく、できるなら駅で済ませておくのが無難でもある。僕も胃腸が弱い体質だがすでに9回ほど数日の鈍行旅を続けている。
次に、列車の乗り継ぎ時間は短い。なので食料、飲み物は事前に買っておこう。特に田舎では商業地は駅前から離れていることもあり、最寄のコンビニまで歩いて10分以上かかることもある。駅の売店はスーパーよりは割高だが助け舟である。僕はパン食派なので、朝食や昼食のときに菓子パンを1つ大目に買っておいてかばんにしのばせていることが多い。
最後に、最近の情報化で気をつけなければならないのが、スマホやタブレットなどのバッテリーである。モバイルバッテリーは少なくとも1つは持っておこう。寝台列車泊をはさむなら少なくても10000mAhはあったほうがいい。僕はcheeroの6000mAhと10200mAhを1つずつ持ち歩いている。ゲームはバッテリーが切れると使えないので、何十時間にもわたる乗車中の暇つぶしには向かない。
画像:篠ノ井線で快速として運用されるE257系。首都圏では特急あずさやかいじとして運用されるこの列車も長野地区では普通、快速として運用されることがある。