青ポスの部屋

旅と技術とポエムのブログ

普通免許

普通免許を取った。その後日談。

もともと学部のうちから取ろうかと思っていたのだが、免許を取ってもペーパードライバーになりそうなので、学生の最後のほうで取るのがよいだろうと考えていた。そこで修士1年が最後のチャンスだろうと思って意を決して教習所に申し込んだ。

僕はとてもどんくさいのでどうせうまくいかないだろうと思っていたら、予想通り、最初の外周コースを回るところからなかなかうまくいかなかった。ハンドルを持ち替えるところでもたついてしまい、最初のうちは教官を指名していなかったので、いかにも上から目線のおっさん教官にめちゃくちゃ言われ、運転が嫌になるくらいだった。

流れが大きく変わったのは、4人目の人のときだ。「ハンドルをまわすときは持ち変える手は逆の手のすぐ上に」と言われた。すると今までわけがわからなかったハンドリングが急にうまくできるようになったのだ。

今までは、テキストに書いてある絵がとても大げさに描いてあり、そのイメージが染み付いてしまっていた。たとえば左へきるときに、左手を持ち替えるのにハンドルの右半分を持つというとても大げさな絵だ。当然そんなに右を持つ必要はなく、右手のすぐ上を持つほうが回す量も調節できていいのだ。その人の前は「目線は遠くに持て」とか「そんなに大きく回さなくてもいい」などといわれるが、それ以前の問題だった。

その後は、教官をちゃんと指名して教習を受けた結果、運転もだんだん楽しくなり、仮免許を取るための修了検定までこぎつけることができた。第一段階で1回補習を受けてしまったが、正直最初にろくな教官に当たらなかった回が多すぎたと思う。「君は不器用だ」と自分の指導が下手なことは一切棚にあげるような教官もいたので、やはり最初に自分に合う教官を見つけて指名するのは大事だと思った。とはいえ、最初のほうが一番大事なのに最初のほうはどの教官がいいとかわからないのでどうしようもないのだが、いい教官にあったら早く指名するべきだ。

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修了検定ではクラッチペダルを踏む足が緊張で震えるような有様だったがなんとか合格できた。路上教習でも事故を起こすこともなく、卒業検定もなんとかクリアし、無事免許を取ることができたのだった。

卒業検定を終えて感じたのは、「今後当分MT車に乗ることがないと思うとさびしいなあ」ということだった。免許は一応MTで取ったのだが、慣れてきて路上を走ったりもするうち、ギアチェンジやクラッチ操作といったMT車特有の操作も含めて楽しいと思うようになっていた。AT車を運転する教習もあったのだが何か物足りないような感じだった。AT車では止まる前にクラッチを切って微速でブレーキを緩めて完璧に止まるといった芸当ができないのだ。

そして、免許を取ったはいいものの、ペーパーになりそうな危機に瀕してしまった。下宿なので車が近くにないし、実家の車はでかすぎて出すことすら難しい。それにレンタカーを借りれるほどうまくないので、練習が一切できないのだ。免許を取って役に立ったのは携帯電話の手続きで身分証明が一瞬で済んだことだけなので、結局何のために免許を取ったのかわからなくなっている。公安委員会の身分証明がほしいだけなら原付免許を取ればよい。

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普通二輪免許 (1)入所まで - 青ポスの部屋

20170302 北海道旅行 その5 「空から見る北海道」

最終日は稚内空港から飛行機で神戸空港まで飛んで帰るだけだったので、18きっぷを温存することにした。

お土産を買っていなかったのでキタカラのお土産屋さんに開店直後に突撃したが、定番の白い恋人がなくてびっくりした。しかたがないので買えなかった場合に備えていくつかだけ買っておいて、残りは空港の売店で買うことにした。

稚内空港南稚内から東へ離れたところにある。稚内駅やフェリーターミナルなど稚内市街から稚内空港へは、一日数回の飛行機の発着に合わせてバスが運行されている。

地方の空港といえば五島福江空港を使ったことがあったので予想はしていたが、プロペラ機に乗ることになった。

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冬の北海道なうえにプロペラ機なのですごくゆれるんだろうなと思っていたが、天気もよかったからかあまりゆれることもなく、写真も撮る余裕があった。上空からは広大な自然地形と格子状に整理された開拓田、さらには日高本線とそれを走る列車も撮影することができた。

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ちなみに行きの飛行機はwi-fi内蔵のSDカードflash Airをさしっぱなしにしていて、「これは飛行機でつかうのはまずいのでは」と思い、カードを抜いて内蔵メモリを使わざるを得なかった。今回はちゃんと飛行機に乗る前に普通のSDカードと取り替えておいた。ところがよく聞くと使ってはいけないのは「機外と通信する端末」で、wi-fibluetoothのように端末同士の接続に使うような無線通信は大丈夫らしい。

新千歳では到着ロビーに続く通路の途中に出発ロビーに続く通路があり、乗継の客は係員に申し出てその通路を通された。乗継客は結構多く、1/3以上は乗継だった。

新千歳から神戸へはANAAir Doの共同運航で、運行はAir Do担当便だった。北海道の航空会社だけに音楽放送は北海道出身のGLAY特集をやっていたり北海道推しだった。機内食の味噌雑炊がとてもおいしそうで、新千歳で昼食のサンドイッチを買ったのを後悔した。

最初はあまりゆれていなかったのでこのまま大丈夫だと思っていたが、神戸空港の近くで姫路のほうから回りこむところで、今回の旅で1番というくらい大きく揺れた。確かに神戸付近は「六甲おろし」という歌があるほど強風が吹くことがあり、ゆれるのも考えられることだった。

また中学生のときに神戸空港を使ったときびっくりしたのだが、神戸空港に着陸するときは滑走路に回りこむ形になるので、かなり大きく旋回する。今回も窓から海面が見えるくらい傾いていた。

ポートライナーで三宮へ出て、そこからJRで帰った。環状線も使ったのだが、初めて323系に当たった。自動音声の英語が札幌圏と同じだったので、まだ札幌にいるんじゃないかと一瞬思った。*1

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今回の旅行は飛行機で往復したが、あまりに速すぎて遠くへ行った実感があまりわかなかった。飛行機を安く使える手段が見つかったのはよかったが、何か物足りない気もした。

また、これで北海道の動いている路線はすべて乗りつぶしたと思ったが、実は乗り残した路線が1か所だけあることに帰ってきてから気づいた。それもまた乗りに来ないといけないなと思った。

 

*1:英語自動音声はジーン・ウィルソンさんという人がやっていて、関空・紀州路快速JR北海道の各特急列車のみならず、JR東日本の新幹線はほとんどこの人が担当している。

20170302 北海道旅行 その4 「最北への道」

今日は半日で宗谷本線を普通列車で乗りとおした。

宗谷本線は2年前、スーパー宗谷で走破した。しかし「乗り鉄たるもの、最果てへ続く線路は普通列車で走破したい」と思っていた。また稚内空港発で安い飛行機があったので稚内まで行ってみることにした。

とはいえ、宗谷本線の名寄以北はJR北海道が「単独維持困難」とするほどの閑散区間で、本数は1日3往復、旭川から稚内へたどりつけるスジは2本しかない。そのうち朝の始発のほうを使った。

時刻表の上では列車番号名寄幌延で変わっているのだが、案内やサボには「稚内」と書かれており旅情を感じた。

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途中音威子府幌延、豊清水で長時間停車した。豊清水では雪煙を巻き上げながら走る特急サロベツとすれちがった。

そして2年ぶり、2度目の稚内にたどり着いた。

前回もほぼ同じ時期だったので特に大きく変わっているところがあるわけではなかったが、前回は風のためかカバーがかぶせられていた車止めのモニュメントを今回は見ることができた。

今回は記念入場券セットを買って、宗谷牛サンドを食べた。前に来たときはハンバーガーだった気がするのだが、ライ麦サンドになっていた。

サンドイッチを食べながら、ここで何をしようか途方に暮れることになった。何かあるだろうと何も考えないでここまできてしまったが、ノシャップ岬も宗谷岬もこの寒さでもう一度行こうとあまり思わないし、稚内温泉は遠い。副港市場は後で行くし、公園は雪で埋まっている。

とりあえず前回は防波堤を見ていなかったので見に行ってみた。

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中では地元の中学生がキャッチボールをしていた。確かに歴史的な建築物ですごいと思ったが、それ以上に寒すぎてさっさと駅へ引っ込んでしまった。

時刻は14時前で、キタカラはコンセントどころかwi-fiまであるのでこのまま数時間いてもいいのだが、それではもったないない。とはいえ行きたいところも特にない。

ここで僕は「なんでここまで来たのか」という単純な問いに苦しめられることになってしまった。折りしも、近頃はこのようなすごく基礎的なことを問いただされることが多かった。将来の進路とか、自分では考えていたつもりなのによくわからなくなって答えられなくなる。これまでいかに自分が考えて行動しているふりをしていたのかがよくわかった。

とにかくこんなところまできて悩みこんでも仕方がないし、正直こうなることも予見してはいたので、そうなったときの予定として決めていたとおり、行ったことがない南稚内のほうへ向かうことにした。

稚内駅近くはホテルや観光客向けの施設が集中しているが、南稚内駅付近はデパートや全国チェーンの外食店など地元の人の生活に近い施設が多い。日本最北のマクドナルド、すき家もこの付近にある。その中で日本最北のミスタードーナツに入ってコーヒーを飲んだ。温かいコーヒーを飲んだらほっとしたのか、元気がわいた。

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夜は副港市場に行った。偶然サハリンのロシア音楽グループのステージをやっていた。僕はロシア音楽も好きなので、楽しむことができた。

また今回も銭湯に入ったのだが、気合を入れて露天風呂に浸かることができた。とはいえそれまでに十分内湯で温まった上でやっとという感じだった。

それから海鮮丼を食べようと思ったが、副港市場の中の店は高かったし、2軒行った店が閉まっていたのであきらめた。海鮮丼を食べようとして食べれなかったのはこれで3軒目になるので、僕は北海道の海鮮に縁がないのかもしれない。