青ポスの部屋

旅と技術とポエムのブログ

20190127 直通快速大回り

今年3/16のダイヤ改正では、おおさか東線放出~新大阪間が開業し、全線開業する。加えて、大和路線の奈良から久宝寺、放出を経由して新大阪を結ぶ直通快速が運行されることになっている。 現在、直通快速おおさか東線部分開業区間片町線東西線を経由して尼崎を結んでいるが、その直通快速尼崎行きは新大阪行きとなる。そこで、尼崎行きに大都市近郊区間制度の大回りを使って乗車してきた。

大回り乗車とは

有名な裏技だが、東京や大阪などの大都市近郊区間ではいわゆる「大回り乗車」というきっぷの使い方がある。

通常、乗車券は経路を指定して発券され、その経路以外で乗車すると経路変更か別途精算が必要となる。ただし一部の区間では例外的に券面記載経路でない経路を経由できる例外がある。

線路網が発達して経路が複数あるような大都市の近郊では一見では最短経路がわかりにくかったり、タイミングによって最適な経路が変わることもある。そこで大都市近郊区間という区間を定め、その区間内完結の乗車券では、途中下車できない代わりに重複しない経路を自由に選択できるようになっている。このとき券面記載の経路より距離の長い経路を乗車することを大回り乗車という。

経路は重複しない限り自由に選べるため、大阪から天王寺へ行くのに内回りを使う1といったものから、大阪駅からの240円で琵琶湖を一周して和歌山を経由し兵庫を回って帰るという丸一日かかるもの2、首都圏で大晦日終夜運転を利用しないと実行できないような長距離の経路がある3

今回の経路

今回は直通快速を完乗することが最大の目的なので、奈良からおおさか東線片町線JR東西線を通る経路を設定した。

徳庵→(片町線)奈良→(直通快速)尼崎→(JR神戸線)大阪→(環状線内回り)森ノ宮

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赤線、橙線(直通快速区間)が経路
運賃:180円

感想

経路は路線図を見ていると段々思いつくようになるが、時間がきつかった。土日は直通快速は1日のうち4往復しかなく、しかも尼崎行きは朝のみ(逆に奈良行きは夕方のみ)のため、早朝に出発することになった。

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徳庵から奈良までは片町線で行った(住道で快速に乗り継ぎ)。片町線松井山手以東は単線なので、快速にもかかわらずほぼ各駅で数分停車させられ少しじれったかった。

木津からは乗り換えて奈良へ向かった。数本だけ片町線から奈良へ直通する列車はあるが、通常は木津から大和路線奈良線の列車に乗り換えることになる。

奈良駅には奈良線205系が止まっていた。正月に奈良線を通ったときもびっくりするほど青い元近ヒネ205系だらけだったのでびっくりしたが、103系ももう寿命なんだろうと思った。

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そうこうしているうちに目当ての直通快速が来た。別に直通快速は行き先が尼崎から新大阪になるだけでなくなるわけではないので、乗り納めにくるとは酔狂なものだなと自分でも思った。

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大体1時間くらいで尼崎に着いた。おおさか東線内は詰まっていたらしく、若干徐行気味だった。久宝寺~放出は追い越せる駅がなく頻繁に詰まってしまう。そのせいか、新大阪開業後はおおさか東線内ノンストップだったのが、高井田中央JR河内永和にも停車することになっている。大和路快速とちがってロングシートだったのだが、1時間程度だったのでそんなにきつくなかった。

朝早く出たわりに距離もなかったので、昼前に帰ることができた。


  1. 0.3kmだけ外回りの方が近いらしい。

  2. 大阪→塚口(経由:東海道、湖西、北陸、東海道草津線、関西、和歌山線、阪和、大阪環状、JR東西、東海道、山陽、加古川線福知山線

  3. 鉄道ニュース週報(1) 140円きっぷで1035.4km「大回り乗車」決行する"猛者"現る | マイナビニュース

「本州民の考える北海道旅行」は本当に実行不可能なのか

先日北海道について話題になったことがあった。

北海道以外の人は北海道の大きさをわかっていないので、めちゃくちゃな旅行日程を考えがち」ということでよく言われることだが、18きっぱーは北海道でなくてもめちゃくちゃな旅程をこなしたりする。なので、ここではまじめにそんな旅程が実行できるのか調べてみようと思う。

前提

行程

画像1枚目を検証したい*1

1日目:富良野→知床→登別
2日目:帯広→小樽→函館
多目に見て、出発地から富良野までの往路と、函館から出発地までの帰路は無視して、富良野発函館着とする。

鉄道

直感的に無理な気はするが一応ダイヤを見てみる。

1日目

富良野~知床

富良野から知床(知床斜里駅)は割と簡単で、旭川で乗り継げばよい。始発は次となる。

発駅 発時刻 列車 着駅 着時刻
富良野 05:58 富良野線 旭川 07:12
旭川 8:35 オホーツク1号 網走 12:18
網走 15:10 釧網本線 知床斜里 15:56

着目すべきは、網走で3時間近く待ち時間が発生しているということだ。釧網本線には特急列車などないので、ワープすることもできない。北海道はでかいだけでなく公共交通機関の本数が少ないということもネックになってくる。

知床~登別

もうお察しと言う感じだが、一応登別までも見てみる。

発駅 発時刻 列車 着駅 着時刻
知床斜里 15:57 釧網本線 釧路 18:46
釧路 19:00 スーパーおおぞら12号 南千歳 22:27
南千歳 22:33 すずらん12号 登別 23:19

意外なことに、到達はできてしまった。とはいえ知床斜里は通過で観光などできない。

2日目

登別~帯広

そもそも登別からスタート地点の帯広までたどり着くのが面倒。

発駅 発時刻 列車 着駅 着時刻
登別 06:06 室蘭本線 苫小牧 06:51
苫小牧 07:00 千歳線 南千歳 07:20
南千歳 07:30 スーパーおおぞら1号 帯広 09:24

ほぼ前日の折り返しになってしまった。北海道の地理がわかっていればそれもそうなのだが。

帯広~小樽

小樽までも、ルートはまあ察しと言う感じだ。

発駅 発時刻 列車 着駅 着時刻
帯広 09:56 スーパーおおぞら4号 12:16 新札幌
新札幌 12:28 快速エアポート121号 13:15 小樽

日中に小樽まで来れた。ここまでくるとなんか行けそうな気がしてきた。

小樽~函館

なんか小樽観光できそうな余裕が出てきた。

発駅 発時刻 列車 着駅 着時刻
小樽 14:00 快速エアポート144号 札幌 14:32
札幌 14:45 スーパー北斗16号 函館 18:25

ちなみに函館から東京までの北海道新幹線の終発は18:36なので、新函館北斗で乗り換えればその日に東京まで帰ることもできる

まとめ

なんと、旅程自体はJRだけでも実行できるということがわかった。調べる前は「こんなん絶対無理やろ」と思っていたが、ちゃんと調べるまでわからないなと思った。

各地の滞在時間をまとめると以下のようになる。

場所 滞在時間[分]
富良野 (出発地)
知床斜里 0:01
登別 6:47(宿泊)
帯広 0:32
小樽 0:45
函館 (到着地)

そもそも北海道までの時間は考えていないし、経由地はどこも1時間も滞在していないし、知床なんて観光どころか下車さえできていないので、条件を満たしたかどうかも微妙な感じではある。

交通費は一見するとえらいことになりそうだが、実は北海道では北海道フリーパスという特急自由席使い放題の破格なきっぷが通年で発売されている(ただし年末年始など除外日はいくつかある)。

www.jrhokkaido.co.jp

そのため、なんと26230円という破格で上記の旅程は実行できる。

しかし余裕のない日程での旅行はトラブルに対処できないし、特急が止まってしまえばその時点で終わりな上、そもそも楽しくないのでおすすめはしない。北海道を回るならもっと余裕を持って回りたい。北海道フリーパスは7日間有効なので急ぐ必要はない。

*1:ちなみに、2枚目以降はほぼ特急圏なので行程の実行はできると思う。観光できるかどうかは知らない。

20190103 九頭竜湖

僕はここのところ1年くらい18きっぷを使っていなかった。バイクの方が融通が利くし、持病が悪化して長時間鈍行で手持無沙汰な旅行をするのがきつくなったからだ。とはいえ冬はバイクでは遠出もできないし、正月に実家にいても付き合いで疲れるので、3日から18きっぷで北陸の枝線を乗りつぶすことにした。

福井まで

初日は越美北線を乗りつぶすべく、定番の北陸本線で北陸へ向かった。

関西から北陸方面の始発は、近江今津敦賀米原での乗り継ぎがうまく行かないので、サンダーバードを使わない場合結局7時ごろ発になる。湖西線を使うほうが距離的には近いが、近江今津から近江塩津までが本数が少なく、結局到着時間は米原回りと同じになる。今回は米原回りで行った。

うまく米原敦賀で乗りついで、福井まで行った。福井ですぐに越美北線へ乗り継げるスジもあるが、この時期の北陸本線は頻繁に遅延するし、接続を取らなかったという話も聞くので、1本早い列車で福井まで行った。とはいえ敦賀~福井は閑散区間なので1時間空き時間ができた。

福井駅の周りは何度も来たし何もなさそうだが、少しだけ歩いたところに福井城跡があるらしいので、歩いて行ってみた。

福井城跡の敷地の大部分は、現在は福井県庁や福井県警本部として使われている。ただ石垣などの一部は残っていて一般に開放されている。

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駅から城跡まで近いのは甲府と似ていると思った。 bluepost69.hatenablog.com

歩いているうちに雪が降ってきたので、早々に引き上げた。

越美北線

福井から目当ての越美北線九頭竜湖まで行った。

越美北線は、かつて国鉄時代に福井から越前大野九頭竜湖、郡上を経由して美濃太田を結ぶ「越美線」として建設された。南北から建設され、北線は九頭竜湖、南線は北濃まで達したところで国鉄民営化の憂き目に遭って建設が中断され、北線はJR西日本が継承した。南線は現在は長良川鉄道が運営している。

未成線あるあるで越美北線九頭竜湖まで出て徒歩やバスを駆使して越美南線の北濃へ出て完乗する強者も結構いるらしいが、九頭竜湖にたどり着くだけでも本数が少なく難しい。福井から九頭竜湖まで行き来できる列車は1日4本しかない*1。その上九頭竜湖九頭竜湖駅から何キロかあって、見に行ったりしていると次の列車が3時間後みたいなことになる。そのため、観光は暖かくなってからバイクで来るとして、今回は九頭竜湖駅ですぐ折り返すことにした。

越美北線福井駅の切り欠きホームになっている2番線から発車する。昼過ぎの列車なので乗客は結構いたが、座れないというような感じはない程度だった。 f:id:bluepost69:20190105190600j:plain

福井の次の越前花堂までは北陸本線と共用なので快走していたが、そこからは一気にスピードを落としローカル線らしい雰囲気になった。キハ120は単行であり車体も軽量で加減速性能があるので、線路の規格で走りぶりに差が出ておもしろい。

大野市の中心である越前大野で乗客がたくさん降り、越前大野からは本格的な山岳路線になった。風景がきれいなところでは徐行運転するサービスがあった*2

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九頭竜湖駅

九頭竜湖駅は隣が道の駅になっている。改札はやっておらず、道の駅の人が出札だけ行っている。かつては赤い18きっぷの常備券を扱っていた。

出札窓口では到達証明書を配布していた。もらうだけでそのまま折り返すのも申し訳ないので、到達証明書をもらって入場券を買った。すると改札印も押してくれた。

線路は最後は国道158号と平行になって車止めとなっている。

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国道158号九頭竜湖岸に沿って美濃白鳥方面へ到達するルートになっているが、計画されていた越美線は九頭竜湖からは北へ回り、県道127号、314号に近いルートだったという。「暖かくなったらバイクでトレースしにこよう」と思っていたら、なんとオフロードバイクで来ている人が駅前にいた

帰り

一通り見た後は越美北線を引き返し、福井から金沢まで行って泊まった。

夕食は百番街で寿司を買って、ホテルでたまたまテレビでやっていたアナ雪を見ながら食べた。5貫1000円と普段食べる寿司の4倍くらい値段が張るので買うのが少しためらわれたが、めちゃくちゃおいしかったので「こんなにうまい寿司がこの世にあるのか」と感動した。

翌日は七尾線のと鉄道も乗りつぶすつもりだったが、疲れて具合が悪くなったのでそのまま引き返すことにした。


元々の予定は全うできなかったが、想定内だったし、寿司を食べるために金沢に行ったと思えば別にいいかと思った。

とはいえ長時間鈍行に乗るのもきつくなってきて、18きっぷだと元が取れないというような状況なので、もっと気軽に新幹線や特急も使えるような他のきっぷも検討したいと思った。

*1:夜間留置の都合か越前大野九頭竜湖間の区間列車が早朝と深夜にある。

*2:もっとも、JR西日本は保線をケチって速度制限をしたりするのでサービスではないのかもしれない。