青ポスの部屋

旅と技術とポエムのブログ

201512三江線旅行その2「山の陰と陽」

浜田を始発で出て江津から三江線の始発に乗って三次を目指した。江津を6:00に出て三次に9:21に着く、3時間21分の長旅だ。

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初日は石見川本につく頃には真っ暗になったものの、今日は逆に石見川本につく頃に日が昇ってあたりが見えるようになったのでちょうどよかった。朝の中国山地は霧深く神々しい雰囲気に満ちていた。

江津から浜原まではカーブも多く保線のための速度制限も多かった。この区間は三江北線として最初に開業した区間だからだ。一方浜原から口羽はもっとも最後に開業した区間で、線形もよく速度も速かった。口羽からは普通の気動車区間といった感じだった。

三江線はほぼ全線で江の川に沿って走っており三次方面に向かって左側が江の川が見える。しかし残念ながら右側の座席しかとれなかった。ただし一部は右側に江の川がくる区間もある。かつては水運が栄えたという雄大な流れであったが、その水運を廃止に追いやったのはほかでもない、三江線だった。その三江線が今や廃止されようとしている。鴨長明方丈記の中で「行く川のながれは絶えずして、しかも本の流れならず」などと言ったのを思い出した。正確な言い回しじゃないが。

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三次到着後、乗ってきた列車が折り返しで前述の満員御礼の石見川本行きになった。見る限りでは立ち客は出ていなかったようだがそこそこ混んでいた。

三次からは芸備線で広島へ出て山陽本線で岡山まで行った。距離的には三次からは芸備線福塩線で福山へ出るほうが近いが、福塩線は三次から府中までの本数が極めて少なく、昼過ぎまで待たなければならなかった。

三次からは山陽を通ってきたが、三江線とちがって日が出て暖かかい、典型的な瀬戸内の気候だった。

岡山からは赤穂線を使うことにした。JR西日本管内では経費削減のための単色塗装化が進んでいるが、めずらしく湘南色に当たった。

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日生で途中下車した。日生は港町で小豆島や日生諸島へ向かう客船が発着している。歩いていると、前に鳥羽を歩いたときと同じように、船旅をしたくなった。

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今回の旅行で、知っている路線の長距離乗車はさすがにつらくなってきたなあと感じた。今までは乗る列車はほとんど初めてか1,2回目程度だったので、「列車で回ること」が目的にだったんだと思う。

だが山陽本線はもう何度乗ったかわからなくなってきたし、東海道本線山陰本線もそろそろ相当回数を重ねてきたのもあって、新鮮じゃなくなってきた。なので最近は一ヶ所行きたい場所を決めてそこへ「列車で行くこと」が目的になってきたなあと感じた。