JR以外の私鉄各社も、自社線全線乗り放題のフリーきっぷを出していることが多い。近鉄も週末限定のフリーきっぷを出している。
近鉄は日本の私鉄で一番大きい、広大な路線網を持つので、全線フリーの乗車券も有効期間が3日間となっている。それでもたった4100円で、しかも18きっぷとちがい特急券買い足しで特急列車も使えるので、破格な値段と言える。
区間は近鉄線の普通鉄道路線のほか、ケーブルカーの生駒鋼索線と西信貴鋼索線も使える。葛城山ロープウェイは乗り放題区間ではないが、半額になる割引券がついてくる。
近鉄はJRのMARSに相当するASKAというシステムを持っており、本券もそれで発行されている。サイズはMARSの85mm券と同じで、ロープウェイの券は120mm券と同じだ。MARSは「自動改札に通せない券は120mm券」というルールがあるが、近鉄の場合黄色地の磁気化券と青地の非磁気化券があり、85mmでも青地の場合は自動改札を通せない。*1
ネットを見る限り、この券は割りと最近まで非磁気化券で発行されていたようである。また、近畿日本ツーリストでも購入できるがその場合は船車券と呼ばれる形態で発行される。
近鉄では今年の3月にICカードでの乗車券購入が可能になるのと同時に、特急券売り場でのクレジットカードの使用が可能になった。このきっぷもカードで購入したので、右下にC制というマークが見える。
かすれて非常にみえにくいが、初回自動改札に通したときに入場時刻や入場駅が印字される。券面にも書いてある通り、基本的には自動改札を利用するよう書いてあるが、長田*2、竹田*3、柏原*4の各駅と自動改札のない駅では有人改札を通る必要がある。
MARSは黒、赤の2色を印字できる必要があるので、感熱とはいえ近距離券より高品質の感熱用紙を用いているが、ASKAでは単に近距離券のサイズを大きくしただけの用紙が使われる。そのため保存性には欠けるようである。また何度も自動改札に通したり、炎天下でポケットに入れて移動したりしたからか、熱でインクが変色したようで、券面が汚れている。