概要
Acronis for Western Digitalを使って、メインストレージを外部HDD経由でクローンします。
AcronisのWDでの認証
Acronisはストレージをバックアップしたりクローンしたりするソフトウェアです。昔はフリーソフトだったようですが最近クローン機能が有償化されました。
WD製のHDDやSSDが接続されていればクローンを行うことができます。ただし、SATA SSDがWD製の場合にUSB-SATA変換ケーブルを経由したりすると認証することができません。
Acronisでの2つの移行方法
Acronisのマニュアルを見ると移行する方法は2つあります。
- 移行先ディスクに直接クローンする
- 一旦ほかのHDDなどにバックアップを取って復元する
1の手順は直感的でミニマルですが、実行するにはWDのディスクが正しく認証されている必要があります。そのためにはSATA端子に接続しなければいけませんが、通常PCにはSATA端子は1つしかないので、移行元システムドライブがWDでない場合は使えません。新しいドライブがWDの場合、移行元ドライブを外して新しいドライブをSATA端子につないで、移行元ドライブをUSBにつなぐ必要があります。この場合読み書きするモードが変わるので少しリスクがあります。
2の手順は少し回りくどく、移行先メディア以外にバックアップを取るためのストレージ(大容量)とAcronisをブートするためのメディア(USBメモリでOK)の2つのメディアが余計に必要になります。しかし移行元ディスクを手を付けることなくバックアップを取ることができ、万が一移行がうまくいかなくても一番最初の状態に戻ることができるので安全に作業できます。またクローンではなくバックアップなのでWDのディスクがなくても作業が可能です。
そのため今回は2の手順で移行しました。
具体的な手順
Acronisブートメディアの作成
まずUSBメモリを差してAcronisを起動し、Acronisのスタンドアロン版をブートするためのメディアを作成します。
HDDへのバックアップ
次にバックアップ用のHDDやSDDを接続して、HDDへバックアップを行います。「クローン」ではないので注意してください。バックアップはWDのディスクが接続されていなくても実行できます。
バックアップの確認
確実を期すために、バックアップが完了したら正常に復元可能か検証します。
PCをいったんシャットダウンします。ブートメディアとバックアップディスクが両方接続された状態でBIOSに入り、ブートメディアからPCをブートします。するとWindowsではなくAcronisのスタンドアロン版が起動します。
Acronisが起動したらバックアップのメニューを開きます。バックアップデータの情報が見れるので、先ほど取ったバックアップがあることを確認します。該当するバックアップの右クリックメニューから「Verify」を選択し、バックアップが正常にできているか検証します。検証が正常に完了したらバックアップ作業は完了です。
ストレージの入れ替え
正常にブートメディアの作成とバックアップが完了したら、ハードウェアの入れ替えを行います。PCの電源を落とし、一般的なPCパーツ取り換え作業と同様にSATAストレージを入れ替えます。
バックアップの復元
SATAに新しいストレージ、USBにブートメディアとバックアップが接続された状態になったら、確認と同じようにしてAcronisのブートメディアでブートします。
HDDのバックアップを選択して復元します。このとき復元するバックアップと復元先のストレージに間違いがないかよく確認して作業します。OSの入れ替えなのでうっかり間違えると書き込んだストレージのデータはすべて吹っ飛びます。
復元が無事に完了したら、ブートメディアやバックアップを取り外してちゃんと起動することを確認します。起動が出来たら完了です。
ハマったこと
BIOS画面に入れない
Windows 10のの場合、Fast Bootが邪魔をしてBIOSに入ることができないことがあります。
その場合、いったんWindowsで起動して「設定」→「更新とセキュリティ」→「回復」と移ります。 「PCの起動をカスタマイズする」という項目があるので、そこの「今すぐ再起動」を押します。
メニュー画面に移るので、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「UEFIファームウェアの設定」へ移り再起動します。するとBIOS画面に入ることができます。