先日友人にRaspberry Piを譲ってもらったので、ArchLinuxでサーバを構築してみた。何番煎じになるかわからないが、日本語のドキュメントが乏しい箇所もあったので、作業をまとめておこうと思う。
1.用意したもの
- Raspberry Pi 3
いわずもがな。 - USB電源アダプタとmicroUSBケーブル
公式には2.5Aが必要らしいが、手元の2.1Aのもので代用したところなんとか動いた。使い込むなら2.5Aのアダプタを別途用意したほうがいいと思う。 - microSD
ストレージになる。今回は8GBのものを使った。 - Linuxマシン
インストールメディア作成やパーティション割に必要。別にArchLinuxをインストールしていたマシンがあったのでそれを使った。fdiskやbsdtarが使えるなら十分だが、windowsしか触ったことがないような初めての人にはここが一番ネックになると思う。(そもそもそのレベルの人はおとなしく標準的なOSを使ったほうがいいと思う) - HDMIケーブルとディスプレイ
2.インストール
Archlinuxの公式ドキュメントやwikiを参考に。
Raspberry Pi 3 | Arch Linux ARM
Raspberry Pi - ArchWiki
Raspberry Piはx86などとは異なるARMというアーキテクチャなので、本チャンのArchLinuxとは異なるARM向けのArchLinuxを使う。基本的にはarchlinuxarm.orgのほうのドキュメントに沿ってやっていけばよい。これでSDカードにシステムが構築された状態になる。*1
bsdtarで解凍するところでなぜか警告が出る。
3.設定
この先は通常のArchLinuxと同様に設定を進めていく必要がある。その前に、エディタがあったほうがいい場面がところどころにあるので、好きなエディタをpacmanを使って入れておく。僕はEmacsユーザなので、以下のようになる。
基本的には以下のURLの「タイムゾーン」以降でInitramfs、ブートローダの設定以外をやっていく。
インストールガイド - ArchWiki
ネットワークの設定で、ipアドレスは次のコマンドで確認する。
ip -f inet addr
ここからは通常のLinuxと同じだが、rootだけだとまずいので通常のユーザーを作る。useradd hoge
usermod -G wheel hoge
passwd hoge
デフォルトだとlsに色がつかないので、エイリアスをさしておくとよいだろう。
alias ls="ls --color=auto"
4.ソフトのインストール
「本当に必要最小限のものしか入っていない」というのがArchLinuxの特徴で、ARMに移植されてもそれは引き継がれている。そのため必要なものは自分で入れていく。とはいえpacmanが使えるので、ここから先は通常のArchLinuxと変わりない。
まずリポジトリを最新の状態にする。
pacman -Syu
pacmanでのインストールはrootでしかできないのに注意。しかもデフォルトではsudoは使えない。そこからいろいろ好みに応じて入れる。pacmanは空白区切りで複数のパッケージを一気にインストールできる。gcc、python、imagemagickあたりはどのような用途でも入れておいたほうがいいと思う。サーバにするならapacheやpostfixなども入れる必要があるだろう。
*1:元のArchLinuxでは、インストールメディアからArchLinuxを立ち上げて、pacstrapなどでビルドしていく作業が必要になる。