今の自分の立場
D進しようと思っていたが、黒魔術にかけられていることに気づいて就職した。ぶつり?の大学を出てるんですけど!
なんやかんや、すったもんだ、ドッタンバッタン大騒ぎなどがあったりもしたが、1年半くらい今の部署で働いている。会社で取り入れていない最新技術の調査や導入を進める部門で、最近はディープラーニングとかをやっている。
1年働いて思ったこと
はっきり言って、異世界転生だった。
研究室にいたときは、定期的に成果を絞り出さなければならず、それでも出なければますますきつく絞られ、という繰り返しだった。ワンマン教授の気まぐれ研究テーマを勧められ、一応「自分で決めた」体を取りながら*1、実はそこまで興味がない重箱の隅をつつくようなことに心血を注がされていた。
それで、プロ入りした直後の高校球児みたいにボロボロの状態で社会人デビューとなったわけだが、境遇のちがいにびっくりした。新人のくせに体調不良を理由に有給を取ったりしたが、怒られるどころか心配してもらえた。正直、1年目の自分の行いは会社によっては自己都合退職になっててもおかしくないと思う。
今の職場に入ってからは、「Pythonができるから」と神扱いされ、毎日のように誉めちぎられている。PythonができるといってもAI系の論文からゴリゴリ実装したりできるわけでもなく、手書き文字を判別したりする程度なのに*2。まさに院時代とは真逆すぎて、異世界としか思えない。
ぬるま湯なんじゃないか
これは常日頃感じていて、正直周り任せにしてるとスキルは身に付かない環境であるような気はする。周りの人は人工知能どころか「ベクトルって何?」レベルの人しかいない。技術的な良し悪しはぺーぺーなので大層なことは言えないが、理論は自分より強い人は全年齢を通してほぼいないと思う。
なので、当然ひたすら自学する必要がある。今の部署自体が「ひたすら自学して試作を作って現業部門に渡す」のがミッションなので、業務時間でだいぶ勉強させてもらえている。しかし書物やネットからしか情報が入ってこないので、「このお作法は言いんだろうか」みたいな不安を持ったりはする。
とはいえ、そもそも自分は生まれてこの方ずっとそうだったと感じている。研究室も教授の振ったテーマとは言え、博士の先輩からは理論でも一目おかれていた自信はあるし*3、「研究テーマについては教授より詳しくなりすぎて手に追えなくなったからぞんざいにされた」くらいに思っている(そう思っていないと自分を保っていられないというのもあるが)。
雑務を押しつけずに時間を自由に使わせてくれる今の環境には感謝している。上司がエンジニアの鑑みたいな人なので、期待には答えたい*4。というか上司が釣り上げてくれなかったら自分が首を吊っていたかも知れないので、上司に足を向けて寝られないなあと思いながら日々仕事をしている。