青ポスの部屋

旅と技術とポエムのブログ

博士課程に進学して1か月が経ちました

大学院の博士課程に進学して1か月が経ちました。

やったこと

コード整備

とにかくコードを整備しました。

ちょうどスパコンシステムの更新で移植作業が必要だったので、その作業を機に修士課程のころから思っていたよくないところを直していきました。

学生のうちはおかしいところに気づいても「でも自分がまちがっている可能性もあるし、触らないでおこう」という感じで、自信のなさからスルーすることも多くありました。

今では自分の実務経験からおかしいところは自信をもって答えることができるし、直すこともできます。もっといえば「ここを直すとこのようなデメリットもあるから、あえて直さないでおこう」というような判断を下すこともできます。

Gitの導入

最大のよくないところは「適切なバージョン管理がなされていないところ」でした。なのでGitを導入しました。

修士のときに手元のコードでgit initしたことはありますが、実践的な知識はなかったので当時は定着しませんでした。今はgit-flowなどのブランチのお作法までわかっているので、教える立場になっています。ブランチの規則はgit-flowよりのオリジナルなフローにしています。

GitLabの導入

最近導入しました。

期待しているのはGitリポジトリホスティングよりはissueトラッカー機能です。なのでbacklogやJIRAなどとも比較していて、今は試用期間としてコードを置かずにissueトラッキングのみを行っています。

GitHubも検討したのですが、下記のような点で不都合を感じるのでGitLabからスタートすることにしています。

  • GitHubアカウント(無料)は規約上は複数持つことができない。
    自分は私用アカウントをTwitterなどと紐づけているのでアカバレの覚悟を決めなければ利用できませんでした。自分は別として、今後来るであろう学生さんが私用のGitHubアカウントを持っていない保障などありません。
  • GitHub Organizationはprivateにすることができない。
    プロジェクトはprivateにすることができますが、Organizationはできず、「xxという名前のOrganizationが存在すること」はどうやっても公開されてしまいます。
  • 何らかのアクシデントでpublicになってしまったときの被害が大きい
    GitHubはデフォルトがpublicなので、何かの手違いでコードがアップロードされてしまうと直ちにインターネットに公開されてしまいます。またGitHubの方がメジャーなので「公開されてしまったときにたまたま見られてしまう可能性」も相対的に高いです(おそらく違いは微々たるものでしょうが)。

このような不都合があるので、それを回避するためにGitLabやBitBucketを使うというのも合理的な選択肢だと思います。さらにGitLabはオンプレ版もあるので「やっぱりインターネット上に公開したくない」とか「予算が取れなかった」という場合に移行することも一応は可能です。

感想

通学は慣れればきつくない

大学までは電車で行ったりバイクで行ったりしています。会社より大学の方が遠いので必然的に通学時間は長くなりました。とはいえ研究室に行くのは週2,3回で、SlackやZoomで補完しながら研究しているのでそんなに負担ではありません。

学生さんとの付き合い

自分は出戻りなので、学生さんは全員自分より当然年下です。それに企業のやり方を持ち込むので反感を持たれてしまうかもしれないと思っていました。ですがそれは杞憂で、今はだいぶ打ち解けられたかなと思います。研究室で学生さんと話していると、一人で家で仕事しているよりもいろいろな刺激をもらえます。

大学の事務作業多すぎ

よく「大学の教員は事務手続きが多すぎて研究の時間を圧迫している」という言説が流れますが、事務手続きは博士の学生でも結構忙しいです。

学生なので予算はそんなにシビアではありませんが、収入が社会人に比べると激減するので、潤沢な資産を取り崩すとかでなければ生活を保つために多かれ少なかれ金策に走ることになります。

そこで大学の奨学金や授業料免除等に頼ることになりますが、この手続きがやたらめったらややこしいのです。せめて一般的な会計に従ったルールであればいいのですが、ほとんどの制度がまったくばらばらの会計基準に従っていて確定申告みたいな決まったルールがないのです。例えば

  • 医療費控除のようなものがあるが、総額で審査する所得税の医療費控除と異なり、1件で10万円を超えた場合のみ対象となる(授業料免除)
  • 「給与」「親からの援助」「貯金の取り崩し」を収入として審査する(奨学金

等です。それぞれの制度でそれぞれの会計規則を把握しにいかないといけないので非常に大変です。これらの手続きでおそらく1週間くらいは時間がつぶれました。今後はマイナンバー等で統一的に管理されるようになりそうな情勢なので、経済状況は確定申告のデータと連携するなど簡略化してほしいです。

まとめ

物理の研究室に入ったはずなのにあまり進んでなくてちょっと焦りは感じています。方針は決まったのでやるだけなんですが、なにせシミュレーションコードのバグが質的、量的にも多く、毎日落としどころを探っています。

しかし研究室の人間関係がよいのでまだなんとかやれています。特に何か作業するたびに「ありがとう」とリスペクトをもらえるので心理面の安定につながっていると思います。これは仕事でも研究でもチームビルディングで重要ですね。

おまけ

1か月猛ダッシュしてきたつけが回ってきたからか、最近体の調子を崩すことが続き、同じ週に眼科と歯科に行くはめになってしまいました。これでは「目には目を、歯には歯を」という感じです。結局虫歯の親知らずを抜くことになってあまり笑い話じゃなくなってしまいました。