青ポスの部屋

旅と技術とポエムのブログ

京都大学エネルギー科学研究科博士課程入学試験に合格しました

こんにちは、青ポス(@bluepost125)です。無事に博士課程入試に合格したので、体験談を書いておきます。

博士課程の入試の概要

博士課程の入試は「入試」とは言いますが、修士課程までの試験とは大きく異なります。受験者も少なく定員もあってないようなもの*1なので、ふるい落としというよりは面通しみたいな意味合いが強いです。

筆記試験も修士までと異なる研究室に行く場合は必要になることがありますが、自分の場合修士の研究室に出戻りなので免除でした。

とはいえ何もしなくていいわけではなく口頭試問が課されます。試験委員の先生方の前で自分の修士までの研究や博士での研究計画を30分くらい話す試験です。なので自分の場合はこれの対策が入試のすべてになります。

会社の在籍と社会人博士について

博士課程は入学時に原則企業などから籍を外す必要がありますが、企業に籍を置きながら進学する社会人課程も多くの大学院で用意されています。

自分の受けた研究科の場合、下記のような決まりになっていました。

  1. 出願時点で企業等に在籍している場合は(入学時に退職しているかどうかにかかわらず)出願時に企業発行の受験承諾書(様式随意)を提出すること。
  2. 入学後も企業に籍を置く場合は社会人特別選抜として受験し、出願時に受験承諾書に加えて研究業績調書と推薦書を提出すること。

この1が結構曲者です。少なくとも建前上は出願日に企業に在籍していると受験承諾書が必要になります。退職する予定だと会社が受験承諾書を出してくれない場合があり、タチの悪い会社だと「引き留めのために直前になって承諾書を出さない」という可能性もあります。

労働法上は退職の意思を表示して14日が経過すると退職が成立することになります。そのため出願日の14日以上前までに受験承諾書を手配するか退職の意思を示すかを決める必要があります。口約束だと覆される可能性があるので必ず確保しましょう。

入試まで

試験の1ヶ月くらい、出願した1週間後くらいに書き始めました。数日に1回くらい進学先の先生に見てもらって手直しというペースでした。

自分の場合、修士公聴会の資料は残っていましたが、全然まとまっていなかったので大変でした。ほぼほぼまとめなおしという感じで、当時の資料を引っ張ってきたり思い出したりしながらなんとかまとめました。修士時代はプレゼンをまとめるスキルがなさ過ぎたので、できの悪い部下の資料をイチから手直ししてる気分でした。

博士の研究計画に関しては当然イチからやりたいことをまとめていくことになります。こっちのほうがまだ気分的には楽でした。その代わり、内容の目玉は機械学習だったのですが研究室にとっては未知の領域だったので、あまり教員の添削を得られませんでした。そのためすこし準備不足だったかなと思います。

学会発表みたいなことは久しぶりだったので5回くらいは一人で読み上げて練習しました。このおかげでかなりちゃんとしゃべれるようになったと思います。練習は大事ですね。

入試当日

研究室は宇治キャンパスなのですが、試験は吉田キャンパスで受けました。宇治はよく遊びに行きますが吉田に来るのはかなり久しぶりです。

人前で話すのはどちらかというと苦手なほうですが、修士公聴会のときよりは緊張しなかったと思います。練習の効果もあり、すらすら話せました。

ただし機械学習を入れたいというところはかなり突っ込まれました。さすがに「そんなようわからんもん入れんな」みたいな保守的なことではないのですが、「何を説明変数・出力変数にするのか」など初歩的なところも突っ込まれました。当然意図は理解できるのですが考えを固める準備が不足していたと感じます。

指導教員の先生からは当日中に「資料の完成度が高かった」などお褒めのコメントをいただきました。一応試験なのでほかの受験生の発表は見れないのですが、もっとふわふわした発表をする学生もいるらしいのでひと安心しました。

結果

発表日にネットで見ました。普通に仕事中(研究室のアルバイト)だったので休憩時間に見ました。京都大学の試験を受けて合格発表を見るのも3回目なので特に何もなかったです。

感想

プレゼン作りに社会人の経験は非常に役に立ちました。受験前までは「企業のプレゼンスキルとアカデミアのプレゼンスキルは別物だ」と思っていました。しかし実際は根元は同じで、聴衆の背景知識や読解力に合わせて微調整するというだけの話なのです。就職してから聴衆の違いを意識しましたが、今回の受験でどうちがうのかが明確になりました。

機械学習のような新しいことを持ち込む場合、相応の突っ込みをされても答えられるくらいに固めておく必要があります。今回はなーなーで行ってしまったので立ち往生することになってしまいました。具体的に「こういう作業をします」くらいに固める必要があります。

最後に

無事大学院生になれることが内定しました。金欠なのはあいかわらずですが頑張りたいと思います。

おまけ

受験した日に受験生が参拝すると試験に落ちると言われる吉田神社に参拝してきました。合格したのでジンクス破ったと思ってます。というか修士のときも参拝したような気がします。

おみくじを引いたら末吉で「理解ある目上の人が現れて引き上げてくれる」みたいなことが書いてありました。その通りになったらいいなあ。

*1:「若干名」とか書かれてたりします。