あまり知られていないことだが、ドラえもんはきわめて優れたエネルギー装置である。子育てロボットにしてはいささかオーバースペックで物騒な気もするが、現実離れした原子炉*1を装備しており、食べた物質をすべてエネルギーにすることができる。
アインシュタインの有名な公式
から、すべての物質は質量×光速度の二乗というすさまじい量のエネルギーを持っている。これは一円玉1枚でTNT火薬何トン分にもなる量だ。食事は普通の人くらい食べるドラえもんはどれほどのエネルギーを摂っていることになるのだろうか。
まず、「ドラえもんは成人男性と同じ量の食事をとる」と仮定しよう。ネットで検索すると、成人男性はおおよそ1日1.5kgの食物を食べているらしい。1食500gと考えると妥当だろう。
1.5kgの物質が持つエネルギーは
になる。日本の年間一次エネルギー消費量が*2なので日本全国で消費される一次エネルギー2.6日分をドラえもんは1日で消費することになる。単位をワットに直すと、
となる。*3原発1基の発電量が数[GW]と考えるとどれほどの量かがわかるだろう。
当然エネルギーのすべてを使い切るのは難しいだろうから、ドラえもんにも廃熱というものがあるだろう。仮にドラえもんの熱効率が50%で残りは熱輻射として排熱されるとしよう。このとき1[m]の位置でドラえもんから感じられる熱は
にもなる。太陽光のエネルギー密度でだから、その10万倍だ。虫眼鏡で集める程度でも紙が焦げるので、これではドラえもんの周囲1mが丸こげになってしまう。
なのでおそらくドラえもんは日本全国で消費される量の2倍もの膨大なエネルギーを何らかの形で消費しているのだろう。よく考えてみれば四次元ポケットという空間を切ってつなげてしまうような道具も多用しているので、その充電といった形で消費しているのかもしれない。しかし、四次元ポケットをはずしたシーンもあることが説明できない。そのため結局どのようにエネルギーを消費しているのかは不明である。