青ポスの部屋

旅と技術とポエムのブログ

博士課程に入学して12ヶ月が経ちました

こんにちは、青ポス(@bluepost125)です。暑すぎると思っていたら急に寒くなったりまた暑くなったり困りますね。

気が付いたら博士課程に入学してから1年が経ってD2になったので書いておきます。

経緯

進学を決意したとき

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前回

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研究活動

ポスター発表:第14回エネルギー理工学研究所国際シンポジウム

www.iae.kyoto-u.ac.jp

初めての学会発表が国際学会でしたが無事に終えることができました。さすがに優秀賞は取れませんでしたが、ポスターセッションに慣れたり他大学の学生と交流できて有意義だったと思います。

学振DC2に落ちた

2ストライクになりました。まあDC1は見逃しストライクだった*1し、実質初回なので仕方ないですね。

2ストライクからのタイムリーヒットも多いので来年ももちろん出します。その頃には実績をたくさん書けるように精進します。

笹川研究助成に出した

めっちゃ頑張りました。1セクションに1500字+図A4 1枚分を5つくらい書かないといけなかったので、学振よりも体力を削られました。これが取れれば年100万円自分の好きな研究費が得られるので、待遇的には学振とどっこいどっこいくらいまでで行けます*2

今後の予定

プラズマ・核融合学会にポスター発表で参加する予定です。

www.jspf.or.jp

盛岡は7年半ぶりです*3東海道新幹線東北新幹線を乗り継ぐのは初めて*4なので楽しみですね。

論文

頑張って書いてます。年内にはサブミットしたいです。

その他

読んでる本

学振に落ちたときに研究の方法論をもっとよく調べた方がよいと思ったので、「博士号のとり方」という本を買いました。

www.unp.or.jp

博士号の意義や指導教員との付き合い方、「研究のオリジナリティは何か」など根本的なことが書かれていたので非常に参考になりました。「このやり方でいいのかな?」など方法論で迷った時にこの本を読めば指針が示されているので、いろんなことが考えやすくなりました。博士課程に入学したら真っ先に読んでおいた方がよいと思います。

1年やってみた感想

うれしいこともきついこともたくさんあった濃密な1年だったと思います。むしろきついことの方が多かったかもしれません。なにせ

  • 最初は半年間迷走しながら仕事の延長みたいなことをやり、
  • 半年待ったJST-SPRINGに落ちて博士の計画が白紙になり*5
  • そうかと思えば給付奨学金に採用してもらって首がつながり、
  • 研究を始めてから4年ギリギリで初めての学会をこなし、

と年が明けてからは怒涛の研究生活でした。研究の方法論を体得して安定できるようにしたいです。

またいろんな人の助けや応援を感じて感謝することも増えたと思います。特にSPRINGに落ちた時に先生方に助けてもらったのは信頼関係の上で非常に大きいです。今でも先生方とすれちがったり険悪に感じたりすることもありますが、あの経験を思い出して「悪意があるわけではない」と考え直すことができています。信頼関係はとても大事だと思います。

反面、最近は自分に余裕がなくなってきているなとも感じます。体調面もありますが、1年時間を使ったという事実や研究のハードさ、モチベーションを保つ難しさなどに直面してプレッシャーを感じることがあります。特に笹川研究助成で自分のペースを崩してしまい、イライラしたりネガティブになったりすることが増えているように感じます。まず自分のペースを取り戻して、それを維持しながら研究を進める方法を固めていくのが目標かと思います。

おまけ

研究室にアメリカからの留学生が来たので、気合を入れて英語をリハビリしています。ちょうど京大がSpeakBuddyのアカウントをくれたので毎日やっています。1週間くらいですが英語力がメキメキ上がった気がします。

*1:DC1は採用予定の前年の5月に申し込む必要があります。採用は4月しかないので秋入学だとややこしいです。自分の場合は入学する直前の5月でしたが、その頃は会社にいたので動きようがありませんでした。

*2:学振獲得という名誉だけはどうしても取れませんが。

*3:前回→ https://bluepost69.hatenablog.com/entry/2016/03/19/170900

*4:前回はもちろん青春18きっぷでした。1日ではたどり着けません。

*5:何もうまくないぞ!!!

セローを手放しXSR700が納車されました

こんにちは、青ポス(@bluepost125)です。

ここまでのバイク遍歴

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セローを手放した理由

セローを購入してから1年半程度ですが、手放すことにしました。

理由は主に下記です。

  • 出足が異様に強くじゃじゃ馬である。
  • その割に高回転が回らない。
  • ギアが5速までしかなく、高速道路を走るときはほぼ全開になり運転がきつい
  • 車体が軽いので取り回しは楽だが高速がつらい
  • タコメータもついていないのでそもそも何回転回っているかわからない。
  • スピードメーターが20km/h近いハッピーメーターである。
  • メンテナンス面で、バッテリーへアクセスしづらい*1
  • ETCをつける場所が書類入れしかなくカードの抜き差しが面倒*2

上記のような難点がありツーリングの障害になっていました。 そもそも買った直後に「YBRとだいぶキャラがかぶるなあ」とは思っていたのですが、やはり冬を越えられず半年くらいで乗らなくなってしまいました。

XSR契約

今年に入ってからセローを手放して大型に乗り換えようと思い、Gooバイクを張っていました。

いろいろありました*3*4が、7月にXSR700を契約、つい先日に納車されました。

初日の感想

500mほどしか走れませんでしたが、だいぶよい印象を受けました。

  • 出足がおとなしい。セローがじゃじゃ馬すぎたというのもありますが、CBRと同じくらいおとなしいです。YBRよりはさすがに強いです。
  • CBRほどは重くない。ただしYBRやセローよりは重い。

車庫までのわずかな距離を走っているうちに「回してえな」「こいつともっと遠くに行きてえな」という気持ちを久しぶりに強く感じました。早く涼しくなって走れるようになってほしいです。

おまけ

これまでに納車した日を調べてみると、

  • YBR: 2017/05/20 →仏滅
  • CBR: 2018/09/01 →仏滅
  • セロー:2022/05/03 →赤口*5

と最悪な日を選んでいました。本当に何もなくてよかったです。

今回は偶然大安(8/26)に納車することができました。その結果か第一印象としてはとてもいいバイクと出会えたなと思います。

*1:バッテリーのドライバー以外にシートを外すメガネレンチとサイドカウルを外す六角レンチが必要になり、結構大仕事になります。一方でYBRは鍵でサイドカウルを開ける、CBRはシートを六角1本で外す、XSRはシートを鍵で外してストッパーをレンチで外すことで直接アクセスできます。バッテリーは比較的よくアクセスするのでアクセスしづらいと困ります。

*2:書類入れは左側についているため、ハンドルロックした状態ではETCにアクセスできずカードを抜き差しできません。

*3:山口のバイク屋ドゥカティスクランブラーが入荷したが、面倒を見てくれるバイク店が近所になく、悩んでいるうちに売れたとか

*4:XSR700のほぼノーマル個体とフルカスタム個体が2台入荷して、どちらにするか迷っていたら一方が売れてしまったので急いで契約したとか

*5:赤口は血を見るような凶事が起こるという伝承があるそうです。事故などに遭わずに済んでよかったです。

双曲線関数チートシート

こんにちは、青ポス(@bluepost125)です。最近暑いですね

最近相対論の復習をしていて双曲線関数をさわることになったので、チートシートもかねてここに書いておきます。双曲線関数は応用上重要な関数でありながら、あまりしっかり体型立てて学習することが少ないかと思います。

定義

双曲線関数は下記の通り定義されます。

 \displaystyle \mathrm{sinh}(x) \equiv \frac{\mathrm{e}^{x}-\mathrm{e}^{-x}}{2} \\
\displaystyle \mathrm{cosh}(x) \equiv \frac{\mathrm{e}^{x}+\mathrm{e}^{-x}}{2} \\
\displaystyle  \mathrm{tanh}(x) \equiv \frac{\mathrm{sinh}(x)}{\mathrm{cosh}(x)} =\frac{\mathrm{e}^{x}-\mathrm{e}^{-x}}{\mathrm{e}^{x}+\mathrm{e}^{-x}}

ちなみに三角関数オイラーの公式複素数表示すると下記です。双曲線関数三角関数のアナロジーとして得られることがわかります。したがって似た性質を持つことが予想されます。

 \displaystyle \mathrm{sin}(x) = \frac{\mathrm{e}^{ix}-\mathrm{e}^{-ix}}{2i} \\
\displaystyle \mathrm{cos}(x) = \frac{\mathrm{e}^{ix}+\mathrm{e}^{-ix}}{2} \\
\displaystyle  \mathrm{tan}(x) = \frac{\mathrm{sin}(x)}{\mathrm{cos}(x)} =\frac{\mathrm{e}^{ix}-\mathrm{e}^{-ix}}{\mathrm{e}^{ix}+\mathrm{e}^{-ix}}

代数的な関係式

二乗を計算してみます。

 \displaystyle
\mathrm{sinh}^2(x) = \frac{\mathrm{e}^{2x}+\mathrm{e}^{-2x}-2}{4} = \frac{1}{2}(\mathrm{cosh}(2x)-1) \\
\displaystyle \mathrm{cosh}^2(x) = \frac{\mathrm{e}^{2x}+\mathrm{e}^{-2x}+2}{4} = \frac{1}{2}(\mathrm{cosh}(2x)+1)

これを差し引きすると次の関係式が得られます。

 \mathrm{cosh}^2(x) - \mathrm{sinh}^2(x) = 1

したがって x=\mathrm{cosh}(\phi), y=\mathrm{sinh}(\phi)で表される点の集合が双曲線をなすことがわかります。

定義から \mathrm{sinh}(x)=\mathrm{cosh}(x)\mathrm{tanh}(x)を代入して整理すると、

 (1-\mathrm{tanh}^2(x))\mathrm{cosh}^2(x)=1

定義より \mathrm{cosh}(x) \gt 0なので、下記の通り \mathrm{tanh}(x)が定まればsinhcoshも定まることがわかります。

 \displaystyle \mathrm{sinh}(x) = \frac{\mathrm{tanh}(x)}{\sqrt{1-\mathrm{tanh}^2(x)}} \tag{2}

 \displaystyle \mathrm{cosh}(x) = \frac{1}{\sqrt{1-\mathrm{tanh}^2(x)}} \tag{3}

微分

定義から簡単に導けます。

 (\mathrm{sinh}(x))' = \mathrm{cosh}(x) \\
(\mathrm{cosh}(x))' = \mathrm{sinh}(x) \\
\displaystyle (\mathrm{tanh}(x))' = \frac{1}{\mathrm{cosh}^2(x)}

積和公式

積を取って展開してみることで下記の積和公式を得ます。


\displaystyle \mathrm{cosh}(x)\mathrm{cosh}(y)=\frac{1}{2}(\mathrm{cosh}(x+y)+\mathrm{cosh}(x-y)) \\
\displaystyle \mathrm{sinh}(x)\mathrm{sinh}(y)=\frac{1}{2}(\mathrm{cosh}(x+y)-\mathrm{cosh}(x-y)) \\
\displaystyle \mathrm{sinh}(x)\mathrm{cosh}(y)=\frac{1}{2}(\mathrm{sinh}(x+y)+\mathrm{sinh}(x-y)) \\
\displaystyle \mathrm{cosh}(x)\mathrm{sinh}(y)=\frac{1}{2}(\mathrm{sinh}(x+y)-\mathrm{sinh}(x-y))

※証明


\displaystyle \mathrm{cosh}(x)\mathrm{cosh}(y) = \left(\frac{\mathrm{e}^{x}+\mathrm{e}^{-x}}{2} \right)\left(\frac{\mathrm{e}^{y}+\mathrm{e}^{-y}}{2} \right) \\
\displaystyle =\frac{1}{4} \left( \mathrm{e}^{x+y} +\mathrm{e}^{x-y} + \mathrm{e}^{-(x+y)} + \mathrm{e}^{-(x-y)} \right) \\
\displaystyle =\frac{1}{2} \left( \frac{\mathrm{e}^{x+y}+ \mathrm{e}^{-(x+y)}}{2} + \frac{\mathrm{e}^{x-y}+ \mathrm{e}^{-(x-y)}}{2}\right)  \\
\displaystyle = \frac{1}{2}(\mathrm{cosh}(x+y)+\mathrm{cosh}(x-y))

加法定理

積和公式を足し引きすることで次の加法定理が得ます。

 \mathrm{cosh}(x\pm y) = \mathrm{cosh}(x)\mathrm{cosh}(y)\pm \mathrm{sinh}(x)\mathrm{sinh}(y)  \\
\mathrm{sinh}(x\pm y) = \mathrm{sinh}(x)\mathrm{cosh}(y)\pm \mathrm{cosh}(x)\mathrm{sinh}(y) \\
\displaystyle \mathrm{tanh}(x\pm y) = \frac{\mathrm{tanh}(x) \pm \mathrm{tanh}(y) }{1 \pm \mathrm{tanh}(x)\mathrm{tanh}(y)}

倍角公式

 x+xを計算することで2倍角公式を得ます。

 \mathrm{cosh}(2x) = \mathrm{cosh}^2(x) + \mathrm{sinh}^2(x) = 2\mathrm{cosh}^2(x)-1 = 1+2\mathrm{sinh}^2(x)

 \mathrm{sinh}(2x) = 2\mathrm{cosh}(x)\mathrm{sinh}(x)

 \displaystyle \mathrm{tanh}(2x) = \frac{2\mathrm{tanh}(x)}{1+\mathrm{tanh}^2(x)}

最後に

計算ミスってたらコメントで教えてください。。。